企業年金

2013年01月11日

企業年金、運用改善の兆し 10〜12月利回り5.8%

おはようございます

今日も冬晴れ

気温は低めですが・・・

 

本日は「企業年金、運用改善の兆し 10〜12月利回り5.8%」についてです。

日経新聞より

ここから

昨年11月中旬から始まった株高と円高修正が、企業年金の運用改善につながっている。

主要年金の10〜12月の平均的な運用利回りはプラス5.8%と、3四半期ぶりの水準を確保した。

現在の相場が続けば年度を通してもプラスが見込まれ、運用悪化に苦しむ年金にとってはひとまず一息つくことになる。

費用負担が軽くなることで、企業収益も下支えしそうだ。


格付投資情報センター(R&I)が国内約130の企業年金(資産規模約10兆円)を対象に実施した調査によると、10〜12月の運用利回りは2四半期連続でプラスとなった。

利回りは、日銀の金融緩和が株高につながった昨年1〜3月(6.4%)以来の高さだ。


10〜12月は、日銀の金融緩和観測などを背景に対ドルでの円相場が9円ほど下落。

日経平均株価が17%上昇した。平均的な年金資産の2割弱を占める日本株の資産総額が増えたほか、外貨建て資産の評価額も高まった。


今年に入ってからも、円高修正と株高が一段と進んでいる。

米年金コンサルティング会社タワーズワトソンの試算では、日経平均が1万0500円、円相場が1ドル=88円を維持して3月末を迎えれば、今年度の運用利回りは3.8%と3年ぶりの高水準になりそう。

多くの企業が想定する利回り(2%前後)も3年ぶりに上回ることになる。


運用改善は企業収益にも追い風だ。企業会計基準では、年度末の積み立て不足が前年より膨らんだ場合、一定年数で費用処理をしていく必要がある。

企業が想定する利回りを運用実績が上回れば負担増を抑えられる。


多くの企業にとって一息ついた形だが「すぐに日本株を買い増す動きは考えにくい」(ラッセル・インベストメントの喜多幸之助コンサルティング部長)との声もある。

年金基金などはあらかじめ運用資産の配分割合を定めており、株高などで評価額が膨らんだ場合は売却に動く例も多い。


価格変動リスクのある運用資産を減らして、安定運用が見込める国債や高格付け社債などへの投資を増やす動きも続いている。

長期的な世界景気の見通しはなお不透明とみる企業が多いためだ。


商船三井は「安定した年金運用を目指す」(財務部)として、運用資産のうち日本株の比率を現在の2割から5%程度に減らす。

日経平均が上昇基調だった昨年12月半ばから日本株を売却している。三菱重工業やファミリーマート、全日本空輸も中期的に日本株を減らしていく方針という。


企業年金は長期運用のため、株の買い増しには実体経済の長期的な回復が見えることが条件になる。

タワーズワトソン日本法人の大海太郎取締役は「運用方法や制度設計を見直す動きは今後も加速する」と指摘する。


ここまで

株高と円高修正が、企業年金の運用改善につながっているという記事です。

費用負担も安くなり、企業としても一息の様子で、明るいニュースです。

しかし、企業年金の運用は長期にわたるので、一喜一憂は禁物です。

日本株売却の様子も記事に書かれているのが気になります。

今後の経済対策にも影響しそうですね。

 

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2012年12月26日

年金「空白」対策…トヨタ、退職金新制度を検討

おはようございます

クリスマスも終わり、年末モードです

お天気は今日も冬ばれ

 

本日は「年金「空白」対策…トヨタ、退職金新制度を検討」についてです。

読売新聞より

ここから

トヨタ自動車は、厚生年金の支給開始年齢が65歳まで段階的に引き上げられるのに伴い、新たな退職金制度を導入する検討を始めた。


在職中に一定額を毎月積み立てて定年退職後に支給する制度で、定年後に年金も給料も受け取れない「空白期間」が生じないようにするのが狙い。

2013年度中の導入を目指し労使で協議する。


60〜64歳の5年間、既存の企業年金に、新設する制度から7万円程度を加えることで、公的年金並みの月額約21万円を受け取れるようにする。

18歳で入社した場合、毎月約8300円ずつ、42年間で計約420万円を積み立てる設定だが、具体的な金額は今後詰める。

全社員を対象とするが、実際の利用は希望制とする予定だ。


厚生年金の支給開始年齢は、13年度から25年度にかけて段階的に65歳まで引き上げられる。

これに合わせ、企業には希望者全員を65歳まで再雇用することが義務付けられる。

トヨタは、再雇用を望まない場合でも生活資金に困ることがないよう独自の退職金制度を検討することにした。

ここまで

さすがトヨタという感想です。

社員の先を考えています。

年金空白のときと、再雇用の問題・・・。

これから大きな課題となるでしょう。

しかし、「これだ」という解決策がないのも事実ですね。

 

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2012年10月14日

企業年金の2割「給付減額できる」 本社など調査

おはようございます

今日は雲が多いですね

気温は高めですが・・・。

 

本日は「企業年金の2割「給付減額できる」 」についてです。

日経新聞より

ここから

年金基金や母体企業の約2割が年金給付を減額できると考えていることが、日本経済新聞社と格付投資情報センター(R&I)の「日経企業年金実態調査」でわかった。

運用の低迷が長引き、企業年金の多くで持続可能性が問われている。

制度の見直しで状況を乗り切ろうとしている企業年金が多い現状が改めて裏づけられた。

企業年金を持つ上場・非上場企業や厚生年金基金など5479団体を対象に9月中旬にかけて調査し、1233団体から回答を得た。

制度改革として現時点で対応が可能と思う対策(複数回答)を聞いたところ、「リスクの低い運用へ移行」(42%)、「予定利率の引き下げ」(32.7%)に次ぎ、「給付減額」(19.2%)が多かった。

厚生労働省が制度廃止の基本方針を決めた厚年基金を対象に「今後の基金運営で実施を検討しているもの(実施済みを含む)」(複数回答)を聞いたところ、「解散する」と答えた団体が13.3%と前年の調査より大幅に増えた。

ここまで

企業年金の運用の難しさが表われています。

多くの会社は「給付を下げる」ことで乗り切ろうとしています。

制度そのものが古い時代のものなので、運用についての改善がなかなかなされななったツケが回ってきているのでしょう。

早い段階で、制度を見直せばここまでにはなからなったでしょう。

とはいえ、AIJの問題が無ければもっと先延ばしだったかもしれませんね。

 

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2012年10月13日

金融庁、運用2社を業務停止へ

おはようございます

今日も秋晴れ

外出日和ですね!

 

本日は「金融庁、運用2社を業務停止へ」についてです。

時事通信より

ここから

AIJ投資顧問の年金資産詐欺事件で被害を受けた長野県建設業厚生年金基金(長野市)が別の未公開株運用でも多額の損失を出していた問題で、金融庁は基金の資産運用を受託したスタッツインベストメントマネジメント(東京)とユナイテッド投信投資顧問(同)の2社に業務停止命令を出す方針を固めたことが12日、明らかになった。

投資が適切かどうかを確認する最低限の義務を怠っており、金融商品取引法違反に当たると判断した。

証券取引等監視委員会が運用2社の処分を金融庁に勧告。

これを受け、金融庁は1〜2カ月を軸に業務停止の処分を検討する。

同様に基金から資産運用を受託していたソシエテジェネラル信託銀行(同)についても、信託業法上の管理義務を怠っていたとして、一部業務停止を含む行政処分を検討しているもよう。

運用2社は基金側から指示を受けて別の投資会社と契約を結び、投資会社の選んだ未公開株に投資。

基金の運用額(約70億円)は大幅に減ったとみられる。

金融庁はAIJのような詐欺行為はなかったが、運用会社の管理体制に重大な不備があったとみている。

ここまで

AIJは氷山の一角でした。

他のところも出てきました。

これ以上でないことを願います。

 

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2012年10月07日

信託銀など行政処分も=AIJ被害基金の運用損失―金融庁・監視委

おはようございます

今日はあいにくの雨ですね

一雨ごとに秋が本格化ですね。

 

本日は「信託銀など行政処分も=AIJ被害基金の運用損失―金融庁・監視委」についてです。

時事通信より

ここから

AIJ投資顧問の年金資産詐欺事件で被害を受けた長野県建設業厚生年金基金(長野市)が別の資産運用でも多額の損失を出し、委託先の信託銀行などの運用管理体制に問題があった可能性があるとして、金融庁と証券取引等監視委員会が調査していることが6日、明らかになった。


運用状況に関する最低限の確認を怠るといった重大な不備が見つかれば、信託銀行などは行政処分の対象となる見通し。

ここまで

AIJの問題は氷山の一角?と前にブログに記載しました。

これが現実に・・・。

年金基金の存続が厳しくなり、廃止の方向ですが、これからどうなることやら・・・。

大きな損失がどんどん明らかになってくるのではないでしょうか?

特に中小企業には大きな影響となりそうです。

社会的な問題になりそうな気がします。

これからの報道に注目ですね。

 

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2012年09月28日

厚年基金制度廃止へ

おはようございます

今日も福岡からの更新です

日中は暑いですね


本日は「厚年基金制度廃止へ」についてです。

時事通信より

ここから

厚生労働省は27日、AIJ投資顧問(東京)による年金消失問題を受け、企業年金の一つである厚生年金基金制度を廃止する方針を固めた。

厚労省が28日に開く厚年基金の特別対策本部会合で、本部長の辻泰弘副大臣が、将来的に廃止する方向で制度改革を進めるよう指示する見通しだ。

年内に改革案をまとめ、来年の通常国会に厚生年金保険法の改正案を提出することを目指す。

廃止の時期は、積み立て不足の問題の解決や他の企業年金制度への移行準備などが必要なため、10年程度、先になるとみられる。

同省は、加入者自らが運用を行う「確定拠出年金」などへの移行を促す方針。

ただ、巨額の積み立て不足を抱える財政難の厚年基金の中には、解散を余儀なくされるところも出てきそうだ。

改革案には、財政難の基金への対策として、基金の解散時に国に返還しなければならない積立金の減額を盛り込む見通し。

複数の企業が加入する基金について、解散時の国への積立金返還に関し連帯責任を負う仕組みもなくす方向だ。


厚年基金制度は、企業年金だけでなく、公的年金である厚生年金の一部も国に代わって運用するのが特徴。

高金利や株高の時代は収益を伸ばしたが、超低金利や株価低迷の長期化で財政が悪化する基金が相次いだ。

同省によると、約570ある厚年基金の半数で、企業年金部分の積立金が底を突くとともに、代行部分も積み立て不足となる「代行割れ」に陥っている。

運用環境の改善が見込めない中、投資の失敗などによる「さらなる財政悪化を防ぐ」(幹部)ため、制度廃止はやむを得ないと判断した。

厚年基金制度の存廃をめぐっては、民主党が「将来的な廃止」を掲げる一方、自民党は存続容認の立場だ。

存続を求める厚年基金や自民党の反発は必至だ。

ここまで

廃止の方向でしょうか。

しかし、ソフトランディングまでかなりの時間がかかりそうですね。


時代の流れで基金の存在が疑問の部分もありました。

この結果は今後の老後の問題の大きな投げかけでもあるでしょう。

政局がらみが気になりますが・・・。



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2012年09月05日

AIJ事件再発防止策出そろう 厚年基金続く苦境

おはようございます

今日も残暑厳しい1日になりそうですね

マメな水分補給を行いましょう!

 

本日は「AIJ事件再発防止策出そろう 厚年基金続く苦境」についてです。

日経新聞より

ここから

AIJ投資顧問による年金消失事件の再発を防ぐ政府の対策が出そろった。

金融庁は4日、投資顧問会社など運用会社を第三者の信託銀行が監視・けん制する仕組みを柱にした防止策を発表した。

「第2のAIJ」で損失を被る企業年金が出るのを防ぐ狙い。

ただ、規制強化でコストがかさめば年金加入者の負担が増える恐れもある。

AIJの主な顧客だった厚生年金基金は積み立て不足という構造問題も残り、解決はなお遠い。

「AIJに対する国民の怒りは大変強い」。

松下忠洋金融相は4日の記者会見でこう強調した。

AIJは傘下の証券会社などを使って自社の運用ファンドの基準価格や監査報告書を改ざんした。

不正の防波堤として顧客の年金基金の資産を預かる信託銀行のチェック機能を強める。

年金基金と契約している投資顧問に対し、信託銀行がファンドの基準価格や監査報告書を直接入手できるよう義務付ける。

信託銀はこれらを照合して結果を年金基金に通知し、投資顧問が年金基金に運用成績を虚偽報告できないようにする。

課題は負担をどれだけ軽くできるか。

これまで年金基金が投資顧問会社に運用を委託した場合、信託銀行の役割は事務の受託にとどまり、ファンドの基準価格を正確に把握することは契約上は求められなかった。

大手信託銀の幹部は「作業負担がコスト増につながる可能性がある」と話す。

最終的に基金加入者が受け取る年金の減額につながりかねない。

新規制への運用会社の見方は分かれる。

独立系や外資系の投資顧問からは「AIJのような特殊事例のために業界全体に規制をかけるのはおかしい」など疑問視する声もある。

一方でAIJ事件後は投資顧問との契約を見合わす年金基金が多いため「今回の対策で逆風が一段落してほしい」(国内独立系)と歓迎する向きもあった。

金融庁は10月4日まで広く意見を募った上で法令を順次、改正する。

AIJのような問題が完全になくなるかは不透明な面もある。

金融庁や証券取引等監視委員会は「巨額の顧客資産を消失させたうえ隠蔽したAIJ並みの事案は見あたらない」と指摘する。

半面、「これで100%とまでは言えない」との見方もある。

投資顧問は毎月、顧客にファンドの運用成績を報告するが、第三者の信託銀行がチェックするのは3カ月に1度。新規制で信託銀行のけん制機能が働けば、投資顧問が長期間、損失を隠すことはできなくなる。

ただ法令順守に不備があったり、投資顧問が短期間に運用で巨額損失を抱えたりするリスクがないとはいえない。

一方、日本投資顧問業協会は4日、投資家の資産を預からない投資助言会社に限定していた業務監査を投資顧問会社全体に広げるなどの規制強化策を発表した。

自主規制ルールを整備し、法令順守の徹底を図るとした。

ここまで

規制を強化しても根本的な解決にはならないでしょう。

積み立て不足は構造の問題です。

不足が出たときの対策が棚上げで、出ないようにするのは「今からスタート」するところだけです。

不足は見当たらないとのコメントですが、果たして本当でしょうか?

 

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2012年07月24日

企業年金数、10年で7割減 運用難で中小の廃止増

おはようございます

今日は曇り

梅雨明けですが、夏の空にお目にかかっていないです。

 

本日は「企業年金数、10年で7割減 運用難で中小の廃止増」についてです。

日経新聞より

ここから

企業年金を取りやめる中小・零細企業が急増している。

企業年金の数は今春に1万9000と10年前より7割強も減った。

膨らむ運用リスクを抱えきれず、退職者に決まった額の年金を配るのを断念する企業が増えたためだ。

会社員のうち企業年金をもらえる人の割合は10年前の63%から48%に低下。

中小零細企業で働く人の老後不安につながっている。

企業が従業員のために掛け金を出す企業年金は厚生年金基金(厚年基金)、確定給付企業年金、確定拠出企業年金、適格退職年金(適年)の4つ。

その合計が2002年3月末の約7万5000から今年3月末に1万9000に減った。


企業年金が急減したのは中小・零細企業が主に加入していた適年がなくなったことが大きい。

02年3月末時点で適年は7万3582と企業年金の97%を占めていたが、今年3月末に制度が廃止された。

厚年基金も1737から576に減った。

適年も厚年基金も企業が掛け金を運用して従業員に約束した額の年金を老後に支給する仕組み。

実際は運用難で企業が掛け金の追加拠出を迫られ、これ以上、運用リスクを抱えたくないと解散する企業が増えている。

適年を12年春に廃止することが決まった約10年前、政府は代わりに確定給付や確定拠出の年金制度を新設し、適年を持つ企業に移行を促した。

しかし実際は確定給付に移った企業は約2割、確定拠出へは約1割にとどまり、約半数はこうした新しい企業年金に移らず企業年金を一切持たない道を選んだ。

適年を持っていた企業の3割は従業員の退職金の積立制度である中小企業退職金共済制度(中退共)に移った。

中退共でも企業は掛け金を負担するが、年金ではないので運用リスクは持たなくてよい。

中退共事業本部は「適年から中退共に移らなかった零細企業も企業年金はやめて退職一時金に切り替えたのではないか」とみている。

勤め先で企業年金に加入している人は10年前の2000万人から1660万人に減った。

適年は916万人からゼロとなり、厚年基金も1087万人から440万人へと半減した。

10年前に新設した確定給付はゼロから801万人、確定拠出も421万人に増えたが、適年と厚年基金の加入者の減少の方が大きかった。

中小・零細企業で働く人はもともと大企業と比べると低賃金で公的年金である厚生年金の給付水準も低い場合が多い。

勤め先で企業年金がなくなると、老後の生活への不安から消費や住宅取得に慎重になる可能性もある。

横浜国大の山口修教授は「中小企業にとって使い勝手のよい年金制度を作る必要がある」と指摘している。

ここまで

企業年金は運用リスクの大きさで今後も減少するのではないでしょうか。

適格退職年金も今年の3月に廃止となり、厚生年金基金も運用のリスクがかなり大きいので、減少傾向は続いていくでしょう。

新たな年金制度への流入もあまり無く、老後の生活に不安を覚える人も沢山いるでしょう。

記事のように新たな制度の創設も考えないと、企業年金の存続が厳しくなってしまいます。

 

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2012年06月25日

厚年基金、中小の経営圧迫 解散・脱退ままならず

おはようございます

今日は曇りですね

気温も低めです。

 

本日は「厚年基金、中小の経営圧迫 解散・脱退ままならず 」についてです。

日経新聞より

ここから

厚生年金基金が中小企業の経営の不安要素になっている。

約600ある厚年基金の4割弱が国に代わって厚生年金の一部を支給する代行部分の資金すら足りない「代行割れ」の状態。

そのほとんどが同業の中小企業で構成する基金だ。

AIJ投資顧問による年金消失問題はさらに足を引っ張る。

基金の解散や脱退にもまとまった資金が必要で、身動きできない企業も多い。

カメラ・レンズメーカーなど135の企業・団体が加入する全国光学工業厚生年金基金(光学基金)は、AIJに運用委託していた28億円が吹き飛んだ。
 
総資産の1割強にあたる。
 
AIJには2005年度から10億円を委託。
 
運用結果が「良好」だったため、委託額を拡大していたのがあだになった。

だが、これは厚年基金問題の「氷山の一角」にすぎない。

「加入者1人あたり200万円以上支払わなければ基金から脱退もできないんですよ!」。

5月中旬、光学基金の加入企業約40社が集まった勉強会。

開催を呼びかけた精密センサーメーカー、メトロール(東京都立川市)の松橋卓司社長の言葉に会場は静まり返った。

現役世代の減少と年金受給者の増加、長引く低金利もあり、光学基金の純資産は12年3月期までの6年間で118億円も減少。
 
3月末時点で、厚生年金の代行部分や基金独自の加算分の年金給付に必要な額が365億円なのに対し、純資産は220億円にすぎない。
 
加算分をゼロにして代行部分だけの給付にしても約34億円足りない。

松橋社長を突き動かしたのは「基金の不足分を連帯責任で埋めなければならないというルールを知らない企業が多い」という危機感だ。

基金が行き詰まって解散する際には、加入企業全体で代行部分の不足を補って国に返還する必要がある。

では任意に基金から脱退すればよいか。

その場合は基金独自の加算分の不足まで支払う必要があり負担が増す。

光学基金が現時点で解散すれば、加入企業の負担は単純計算で加入者1人あたり約70万円、任意脱退だと同200万円以上になる。

松橋社長自身もAIJ問題の表面化後初めて、ことの重大さに気付いた。

メトロールが任意脱退しようにも約1億2000万円が必要になり、1〜2年分の利益が吹き飛んでしまう。

とはいえ、光学基金の財政状態の回復は見込みにくい。

信託銀行の試算では今後10年間、運用利回り4.2%を確保したうえで掛け金を3割増やして、ようやく代行部分の不足を解消できる。

実際の直近10年間の運用利回りは平均1.3%で、さらに低下する懸念もある。

今、基金を解散すればメトロールの負担は約4000万円。

少しでも傷を小さくしておきたいのが本音だ。

「連帯返済」思わぬ負担に

大幅な積立金不足など厚生労働省が財政危機と見なす厚生年金基金は2011年度で81にのぼる。
 
うち77が中小企業でつくる基金だ。
 
同省は各基金に財政健全化計画の提出を義務付けている。

東日本にある建設業の基金もその一つ。

計画では5年後の現役社員数と受給者数がともにほぼ横ばいで推移すると想定しているが、ある加入企業の社長は「実際は若者の建設業離れで大幅に減りかねない。想定は現実離れしている」と批判する。

健全化計画策定が危機回避の決め手になるわけではない。

基金解散時に代行割れを解消するための「連帯返済ルール」が企業を苦しめる例もある。

タクシー会社50社が加入していた兵庫県乗用自動車厚生年金基金。

06年の解散時に代行割れを解消する必要があった。

お金に余裕がなく各社に割り当てられた負担額を一括払いできなかった29社は共同で約50億円を分割払いすることにした。

だが、払いきれず倒産する企業が現れ、その債務が他社に降りかかる形で連鎖倒産が発生。

11社が完済したが、16社が倒産・廃業。

残るのは垂水タクシー(神戸市)など2社になった。

同社は毎年約2000万円を返済し、当初の割り当て分なら残りは約6000万円だが、実際は1億数千万円払う必要がある。

差額は倒産した他社の肩代わり分などだ。

「負担が重く、車の更新もままならない」(永田敏之社長)

代行割れの解消は年金給付を確保する意味がある一方、その負担が企業に過大にのしかかれば現役社員の暮らしを脅かすことになる。

AIJ投資顧問による年金消失問題を受け、厚労省は基金解散時の国への返還額を減額する方針を打ち出すなど制度改革に動き出した。

月内にも対策をまとめる。

中小企業には返済負担軽減に向けた低金利融資などを求める声も多い。

ここまで

厳しい現実が突きつけられています。

基金の運用はAIJの問題でクリアになったようなものです。

運用のリスク、制度の不備などを勉強しないといけませんね。

連帯債務で各企業を縛っていますが、ババヌキみたいにも感じられます。

 

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2012年06月02日

東電OB年金減額、3分の2の同意を確保

おはようございます

本日も曇りですね

週末はお天気が悪そうです。

 

本日は「東電OB年金減額、3分の2の同意を確保」についてです。

日経新聞より

ここから

東京電力が企業年金の給付水準引き下げについて、対象OBの3分の2から同意を得る見通しとなった。

来週にも集計結果をまとめ、6月中にも厚生労働省に対して減額を申請する。

現役社員の年金減額は労働組合と合意済みで、現役・OBとも10月に年金制度を改定する方針。

電気料金引き上げへの反発が強い中、合理化姿勢を示す。

東電は5月20日を期限に、減額への諾否の返答をOBに求めていた。

5月末までは諾否を変更できた。

現在、最終集計中だが、約1万5千人のOBのうち、減額に必要な3分の2を超える同意を確保したもようだ。

原則3.5〜6.5%だったOB年金の給付利率を2.25%以下に下げ、終身年金も3割削減する。

現役分の削減と合わせ、人件費抑制効果は10年間で1065億円の見込み。

年金削減は経営再建に向けた総合特別事業計画に明記しており、250回を超す説明会でOBの説得を続けてきた。

東電は公的資金の注入で実質国有化されることが決まっている。

OB年金の減額は、「経営状況の著しい悪化」という厚労省の認可基準を満たすとみられる。

公的管理下に入った日本航空やりそなホールディングスは、認可を受けて減額した。

ただ、東電の年金は3月末時点で資産が十分にある。

日航のような巨額の積み立て不足はなく、減額しなくても経営に与える影響は限定的。

人件費抑制を目的とした減額を、厚労省が「真にやむを得ない措置」と認めるかが焦点になる。

OBの9割近い同意を得ながら減額申請を却下されたNTTの事例もある。

東電の人件費抑制策では一般社員の年収も2割削減。

経済産業省の「電気料金審査専門委員会」へ5月29日に提出した資料によると、2012年度の平均年収は525万円。

13年度は571万円、14年度は573万円とする。

東電社員の賃金水準をめぐっては「なお高い」との批判もあるが、3年間の平均は556万円。

東電は「管内の社員千人以上の企業の平均である570万円より低い」と説明している。

ここまで

年金減額はJALの問題と同じですね。

他の補償に年金原資を回すしかないでしょう。

また、賃金水準は他と比べる云々では無いと考えられます。

社員の生活もありますが、他とくらべて高い安いは議論のポイントがずれていると考えられます。

 

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utsumisr at 07:10|PermalinkComments(1)TrackBack(0)
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