2015年03月26日

仕事の意味と会社の関係について

先日、私はセミナーに登壇するため、福岡におじゃまいたしました。

セミナーの内容は「労使のトラブルの予防について」という内容でしたが、その時、ある経営者の方とお話をさせていただく機会があったときのことです。

話の内容はセミナーのタイトルについてで、「残業時間が多いことが問題です」と話をしていたら、その経営者の方が「自分の趣味や興味があることは時間を忘れて没頭しますよね。

問題を起こす社員の人は仕事を嫌々している人達なのか、会社が仕事を無理に押しつけているのではないでしょうか」とお話されていました。


この時、数年前にある社長がお話されていた言葉がフラッシュバックしてきました。

「会社の為、上司の為に仕事をすると思っているようでは本人の心の中で、仕事を自分のことと受け止めていないので、楽しくないはずです。自分の事として仕事が捉えられれば、本当に仕事が好きで、楽しめるはずです」。


趣味にせよ、恋愛にせよ、夢中になることが出来るのは自分の事だからです。

でも、仕事となるとこのように考える人が途端に少なくなってしまいます。

確かに経営者やビジネスオーナーなどが会社の所有者であり、仕事に対しての影響力を多く持つことも事実です。だからと言って、社員の多数が「嫌々仕事をしている」わけではありません。


とはいえ組織で仕事をするということは「これがしたい」と思って入社しても、その業務に配属となるケースは圧倒的に少ないでしょうし、仮に、好きな仕事に就いたと思ったら、実は就く前のイメージとはかけ離れていることの方が多いのではないでしょうか。

「好きなことを仕事にするために転職する」という話を良く聞きますが、果たしてその仕事は「運命の仕事」なのでしょうか。


仕事をしているうちに、その仕事が「好きになる」ことがあります。

例えば
「経理の仕事をしていて、数字が合致した時に嬉しくなる」

「営業の仕事をしていて、お客様にお礼の言葉をかけていただけると、『この仕事をしていてよかったな』と感じます」

「大きなおプロジェクトを任されて、達成した時にメンバーに感謝するとともに、やり遂げたと感じて、自分の成長を実感した」など様々な場面で、仕事と自分の関わりを感じて、仕事に正面から向き合い、好きになっていくのでしょう。

この場合、仕事の内容に興味が出る場面もあるでしょうが、外部環境が影響する場合があります。

例えば、「上司から期待された」「会社から任された」「お客様から評価された」など、「きっかけ」が社員を変えることもあるのです。

会社としては、そんな「きっかけ」の機会を数多く準備することが重要です。

多くの「きっかけ」の機会を社員に用意することにより仕事に対する考え方が変わる社員が「自然発生的」に生まれる環境を整えれば、社員自らが仕事を「自分の事」としてとらえるようになるのではないでしょうか。

会社はそのために「何をするのか」を真剣に考えないといけないでしょう。

残業ひとつにとっても「法律だから禁止します」、「残業命令なので、従いなさい」では、社員の心に響かず、このマネジメントだけでは「飴と鞭」の関係でしかないからです。

会社として仕事の意味、意義を考えること。

そして、それを社員に伝えること。

さらに、社員に「仕事と自分についても正面から向き合うこと」、「社員一人一人の人生、生き方と今の仕事を含めた環境について考えること」なのができる環境を整えることが会社と社員の良好な関係を築くべースとなるのではないでしょうか。



utsumisr at 12:53│Comments(0)TrackBack(0)

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