2012年07月03日
企業年金改革、入り口へ 分散運用の徹底を促す
おはようございます
今日は曇りでしょうか
傘を持たずに出勤しました・・・。
本日は「企業年金改革、入り口へ 分散運用の徹底を促す 」についてです。
日経新聞より
ここから
厚生労働省がAIJ投資顧問の年金消失問題を機にこれまで手つかずだった企業年金の改革に踏み出す。
分散運用の徹底を促し、運用の失敗で深刻な影響を受けないようにする。
AIJの被害を受けて財政難が深刻になったような厚生年金基金の解散も容易にする。
一方、焦点だったOB年金の減額基準の緩和や将来の厚年基金制度の廃止は両論併記にとどめた。
年金消失問題の背景となった構造問題への対応策は今後の検討課題として議論を深める。
厚労省の有識者会議はAIJの年金消失問題を踏まえ問題の再発を防ぐとともに、被害を受けた厚年基金などの解散を円滑に進める手立てを議論してきた。
いわばAIJ問題の「対症療法」といえ、報告書は一定の結論を示した。
そのひとつが、分散運用の徹底だ。
最終報告書は努力義務だった資金配分の策定を基金に義務化する方針を明記した。
特定の運用会社に年金資金を集中的に委託することを回避する。
専門人材を登用
株式市場の長期低迷や超低金利で厚年基金は約束した利回りを確保することが難しい。
高い利回りを確保するために、伝統的な株や債券より元本が毀損する可能性の高い運用に走りやすい。
株価指数先物や未公開株で運用し、高い利回りを達成しているとして中小基金の資金を集めたAIJ問題は、そんな構図を改めて浮き彫りにした。
宇都宮市の北関東自動車整備厚年基金は2008年3月からAIJに運用を委託した。
委託額は合計で23億円に上り、総資産の5割弱を占めた。
「高い利回りを得るには、AIJを増やすしかなかった」。
同基金の常務理事はこう漏らす。
11年3月末時点でAIJに運用委託した84基金のうち年金資金の30%超を預けていたのは8基金に上る。
さらに50%を超えた基金もひとつあった。
厚年基金は独自の企業年金に加え、国から公的年金の一部である「代行部分」を預かり運用している。
全体の4割の基金が代行部分に損失が発生し、給付に必要な積立額が不足する「代行割れ」に陥っている。
多くの基金がAIJに委託することで「一発逆転」の積み立て不足の解消を狙ったといえる。
今回の報告書を受け、厚労省は運用方針の届け出を厚年基金に義務付けたうえで、適切に分散運用しているかどうか点検する。
基金の運用方針を決める委員会には、学識経験者や運用経験者の登用を求め、未経験者による偏った運用を防ぐ。
有識者会議は中小企業の年金を共同運用し、運用効率を高める案も提案した。
有識者会議が示したもうひとつの対症療法が、AIJによる年金消失などで大きな積み立て不足を抱え、継続が難しくなった基金への対応策だ。
穴埋め負担軽減
報告書は基金が解散しやすくするため、解散時の返還額の計算方法を見直すことを盛り込んだ。
加入企業が解散時に積立不足額を穴埋めするための負担金を減らす。
足りない分は厚生年金の加入者全体で穴埋めする。
今の仕組みでは基金が解散するには、加入企業が代行部分の積立不足額を全て穴埋めしなければならない。
基金解散時の積立不足額について連帯返済義務をすべての加入企業に負わせる制度も撤廃する。
この制度では倒産した加入企業の返済分を他の加入企業が肩代わりしなければならない。
これを個々の加入企業に返済額を割り当てる制度にする。
倒産した企業の返済分は厚生年金の保険料で補填し、他の加入企業は自社の分だけ返済すれば済む。
この制度はかねて弊害が指摘されてきた。
顕著な例が06年に解散した兵庫県乗用自動車厚年基金(神戸市)。
同基金にはタクシー会社50社が加入していたが、返済金に耐えきれずに16社が倒産か廃業した。
現在も解散時の返済金が残っている2社は、倒産した企業の肩代わり分も加わり、身動きが取れなくなっている。
厚年基金の大半はタクシーやガソリンスタンドなど同業の中小企業でつくる「総合型基金」。
負債が雪だるま式に膨らみ連鎖倒産を引き起こす恐れがある連帯返済制度を廃止することで基金が解散に踏み切りやすくする。
こうした解散条件の緩和を見据えて、ある石油業の基金では解散の検討に入った。
「受給者が増える一方、加入者は減り続け、基金を続けるのは難しい」(同基金の常務理事)。
日本経済新聞社が今月実施した聞き取り調査では、AIJに運用委託した厚年基金のうち少なくとも13基金が解散を検討していることが分かった。
厚労省の制度改革で解散に向けた動きがさらに加速しそうだ。
ここまで
厚生年金基金の件はAIJ問題が引き金になっています。
そして、運用の失敗が大きなリスクとなって、各企業にのしかかっています。
解散するのも脱退するのも厳しいという現場の声を聞いています。
今後の動きが厚生年金基金のその後を占うことになるでしょう。
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